学生たちにいったい何が!?岡山地底湖行方不明事件
私たちの住む日本では、年間約8万人の行方不明者が出ています。
かつては「神隠し」と呼ばれ、超常的な力によるものとされてきた行方不明事件ですが、近年では監視カメラやGPSの普及、科学的な捜査の進歩などにより、その9割は発見に至るとされています。
しかし、そんな現代社会においても、未解決のままになっている行方不明事件が稀に起こります。
今回ご紹介する「岡山地底湖行方不明事件」もその一つです。
事件概要
2008年1月5日、岡山県新見市にある鍾乳洞「日咩坂鍾乳穴(ひめさかかなちあな)」の地底湖で、遊泳していた高知大学の男子学生が行方不明になったと、同行者の学生らから110番通報がありました。
通報を受け、岡山県警新見署からは署員ら約30人が動員され、昼夜を問わず捜索が続けられましたが、洞窟奥部の地底湖という環境からも捜索活動は困難を極めます。
調べによると、学生らは大学の探検サークルのメンバーで、学生や社会人など近隣の県から集まった13人で新見市を訪れていたとのこと。
そのうち、不明男子学生を含む5人は、午前11時半頃から洞穴に入ります。
午後2時半頃、最深部の地底湖で不明男子学生が着衣のまま泳いでいたところ、行方が分からなくなったといいます。
捜索は大学OBなども参加して行われましたが、1月10日、男子大学生は行方不明のまま、捜索打ち切りとなりました。
日咩坂鍾乳穴
日咩坂鍾乳穴(ひめさかかなちあな)は、広島県東部から岡山県西部にまたがる吉備高原に形成された鍾乳洞の一つです。
昭和32年には岡山県の指定天然記念物にも指定されており、「秘坂鍾乳穴」とも表記されます。
1600mに渡って続く洞穴の最奥部には幅20m、水深32mにもなる巨大な地底湖があり、この行方不明事件が起こったとされるのも、この地底湖でのことです。
事件現場となったこともあり、現在では入洞禁止となっていますが、事件当時から入洞時には市教育委員会への届け出が必要でした。
不可解な事件
この事件、単なる行方不明事件や事故として片づけるには、あまりにも不可解な点が多いことがネットを中心に話題になりました。
いくつか例を挙げると・・・
・入洞届を出していない
・泳いだのは5人のうちの1人だけ
・1月という時期になぜ泳いだのか?
・溺れたところは誰も目撃していない
・救助活動を行わず、現場に誰が残るでもなく、4人全員が帰ってきた
・事件後、探検部ホームページから部長と副部長の名前が削除された
・行方不明男子学生のmixiに何者かが不正ログインし、日記を削除
・マスコミなどによる報道もかなり控えめだった
これらのことから、ネットでは「他の部員による他殺では?」といった噂が流れました。
特に疑われたのが、事件後に退部した部長と副部長で、男子学生との間に痴情のもつれがあり、殺害に至ったのではないか?との噂もありました。
そもそも、この探検部は普段から素行が悪かったとの話もあり、事件の日にも天然記念物である洞穴内で飲食をしていただとか、男女数人が裸になって騒いでいた、といった状態だったのだとか。
神隠し?
実はこの日咩坂鍾乳穴、古くから神聖な場所として崇められていたようです。
洞穴の入り口から700mほどの地点には、「神の池」と呼ばれる池があり、神が住む場所であるとして考えられていました。
また、この洞穴自体をご神体とする日咩坂鍾乳穴神社もあり、決して学生がハメを外して騒いでいいような場所ではなかったはずです。
冒頭でも「神隠し」について触れましたが、もしかしたら男子学生は、この地に住む神の怒りを買い、「神隠し」に遭ってしまったのかもしれません・・・