おじさんがある日突然ロボットに!?映画「いぬやしき」
実写化もされた人気漫画「GANTZ」の作者でもある奥浩哉の作品「いぬやしき」
今回はその実写映画について書いていきたいと思います。
あらすじ
主人公の犬屋敷壱郎(木梨憲武)は、妻、高校生の娘、中学生の息子の4人家族の父親だが、家庭では煙たがられ、職場では年下の上司に毎日のように叱責されるなど、家族を想い頑張りながらも、報われない生活を送っていた。
さらに、健康診断では癌が見つかり、自分が余命幾ばくもない状態だと知り、途方に暮れるが、そのことを家族には言えずにいた。
そんなある晩、公園で悲しみに暮れていると、そこには物思いに耽る少年の姿が・・・。
少年のことが気になった犬屋敷だが、その時、空から謎の光が迫って来て意識を失ってしまう。
朝になって目覚めた犬屋敷だが、眼鏡を外しても目が見えるようになっていたり、朝食の味噌汁の味がしなかったりと、どうにも体の様子がおかしい。
気になって自分の体を調べてみると、腕のところになにやらシコリのようなものがあり、それを押してみると、なんと自分の腕が銃のように変形してしまった。
さらには腕だけではなく、体全体がロボットのようになっている。
いったい自分の体はどうなってしまったのかと、不安と驚愕の感情に苛まれる犬屋敷だが、ある日病院で植物状態の子供に触れたところ、その子供が回復するという、奇跡のような出来事を起こす。
それがキッカケで、「自分はこうやって人々を救うために生まれ変わったのではないだろうか?」と自分の存在意義を見出す。
その頃、犬屋敷と一緒に光に包まれた少年、獅子神皓(佐藤健)も同じようにロボット化していたが、自分が育った環境を恨み、その力を使って人々を殺害するようになってしまう。
やがて、対峙する犬屋敷と獅子神。
果たして、この2人が生まれ変わった意味とは?
そして犬屋敷は人々を救うことができるのか?
アニメと比較して
*ネタバレあり
私は原作は冒頭だけ読んで、その後アマゾンプライムでアニメ版を一通り観て、すごく感動したことを覚えています。
それ故に、どうしても実写版もアニメと比較してしまいます。
結論から言うと、アニメ版の方が良かったです。
実写版ではおそらくどこかしらを端折る形で作られるだろうとは思いましたが、私としては1番端折って欲しくない、アニメ版ラストの部分が端折られていました。
そのせいで、単純に「正義」の犬屋敷が、「悪」の獅子神を倒すという、ごくありふれた勧善懲悪ものになってしまったような印象を受けました。
ラストシーンも、「子供を想う親の気持ちで大逆転!!」みたいなチープなものになってしまったように思います。
実写化の宿命として、どうしてもアニメ・原作との差別化をしなくてはならないというのも分かるのですが、もう少しどうにかならなかったのか、というところです。
俳優陣は悪くないだけに、ちょっともったいなかったように思います。