目黒女児虐待死事件、父親はたったの懲役13年
東京都目黒区で当時5歳だった船戸結愛(ゆあ)ちゃんが両親に虐待を受けて死亡した事件で、父親の船戸雄大被告に懲役13年という判決が出ました。
この事件においては、母親の優里被告も懲役8年の実刑判決を言い渡され、控訴しています。
はたしてこの判決は本当に適当なものでしょうか?
事件概要
船戸雄大被告、優里被告らは2018年1月下旬頃から結愛ちゃんに満足に食事を与えず、衰弱により嘔吐するなどしても病院に連れて行くなどの処置をしませんでした。
その結果、3月2日、結愛ちゃんは敗血症で亡くなりました。
死亡時、結愛ちゃんの体重は同年代平均より約6キロも軽い、12.2キロしかなく、わずか1カ月あまりの間に4キロも減っていたそうです。
さらに雄大被告は結愛ちゃんに対し、「教育」と称して、冬場に冷水をかけ、殴る蹴るの暴行をするなど、日常的に虐待を行っていました。
この事件では、結愛ちゃんが死の間際にノートに綴った両親への謝罪の言葉も、世間に衝撃を与えました。
結愛ちゃんに対する虐待
食事を与えない
雄大被告は「結愛は食べる事に興味がある」「モデル体型にする」と言い、ろくに食事を与えませんでした。栄養失調で嘔吐を繰り返し、自力で食事をすることができなくなっていた結愛ちゃんを見ても、「ダイエットになってちょうどいい」と吐き捨てたといいます。
母親の優里被告は雄大被告が怖くて逆らえない状態だったようですが、その後の聴取では「自分の立場が危うくなると思った」と、自身も事件の発覚を恐れて病院に連れて行かなかったことを証言しています。
暴行
雄大被告はわずか5歳の結愛ちゃんに対し、日常的に暴行を繰り返しています。
真冬であるにもかかわらず、結愛ちゃんはシャワーで冷水を浴びせられ、ベランダに閉め出されていました。
さらに雄大被告は結愛ちゃんの顔面を、まぶたが腫れて目が開かなくなるほどに殴り、衰弱してぐったりしている結愛ちゃんのお腹に蹴りを入れるなど、殺意があったとしか思えないような行為に及んでいます。
異常なルールを課す
結愛ちゃんに対する理想が高すぎたのだという雄大被告は、わずか5歳の彼女に異常なほどに厳しいルールを課していました。
小学2年生で習う九九を覚えさせる、朝4時に起きて風呂掃除をさせるなど、10項目以上に及ぶルールを課し、できなければ先のような暴行が結愛ちゃんを待っていました。
なぜ助けられなかったのか?
船戸結愛ちゃんに関して、品川区の児童相談所では虐待があったことを把握しており、一時的に保護もしていました。
しかし、職員は「虐待はあったが軽微なもの」「緊急性のない事例」として、結愛ちゃんを自宅に帰していました。
結愛ちゃんはこの時、「パパ怖いから帰りたくない」と言い、怪我についても「パパにやられた」と虐待があることをはっきり伝えています。
また、一家が以前住んでいた香川県の児童相談所は「緊急性の高い案件」であるとして、すぐに両親と連絡を取るよう品川児相に伝えていたともいいます。
野田で女児が父親に虐待されて殺された件もそうですが、職員不足を理由に、助けられる命が見捨てられるという状況は全く改善されていません。
何も変わらなければ、近い将来、おそらくまた幼い命が犠牲になることでしょう。
反省などしていない
公判で雄大被告は涙を流し、反省しているそぶりを見せたといいます。
しかし、結愛ちゃんへの数々の残酷な仕打ちを鑑みるに、この涙は結愛ちゃんへの懺悔の気持ちによるものではなく、自分の人生が駄目になってしまうことを悲観して流したものでしょう。
その後の公判中には、頭をふらふらさせて居眠りをするような場面もあったことから、この男に反省の気持ちなどないことは明白です。
たったの13年
この事件において、雄大被告には懲役13年の判決が言い渡されました。
これから何十年と続いたであろう結愛ちゃんの命を奪っておきながら、この男はたったの13年、もしくはもっと短い時間服役するだけです。
また、この男は明らかに異常者です。何の抵抗もなく5歳の女の子のお腹を思いきり蹴るなど、普通の人間には絶対にできません。
間違いなくこの男はサイコパスです。
おそらく出所後も、何らかの形で自分より弱い人間を襲い、再び殺人を犯す可能性もあります。
裁判では、過去の判例に基づいて判決が下されるケースが多いため、感情論で罪を重くすることができないことは重々承知の上ですが、それでもやはり、13年は短すぎるのではないでしょうか。
亡くなった船戸結愛ちゃんのご冥福をお祈りします。