世界の怪異を管理する「SCP財団」とは?
皆さんは「SCP財団」なるものをご存知でしょうか?
近年インターネット界隈で、一部のオカルトマニアを中心に話題に登るようになってきているこのSCP財団。
実は私、以前にもこの財団のことを記事にしようと思ったことがあったのですが、その内容があまりにも煩雑すぎて私の力では上手くまとめきれないと思ったこと、そして、この記事を書くことにより私自身の身に危険が及ぶことを危惧して断念しておりました。
しかし、まがりなりにもオカルトマニアを自負し、世の中の怪異を追い続けることをライフワークとしている私としては、この件は決して避けて通れないと思い、今回書くことに致した所存でございまする。
SCP財団とは
SCP財団とは、「確保(Secure)」「収容(Contain)」「保護(Protect)」のスローガンのもと、自然法則に反し、周囲の生物や環境に多大な影響を与えかねない物品、場所、存在(SCPオブジェクト)を取り扱うことを目的に設立された組織です。
これらのSCPオブジェクトを財団では「SCP-番号『名前』」の形で呼び、それぞれに適した「特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)」に基づき収容し、研究することを目的としています。
SCP財団は世界各国に支部を持ち、各国でのSCPオブジェクト収容に向けて活動中です。日本において発見されたSCPオブジェクトには、番号の後に「JP」が付きます。
オブジェクトクラス
それぞれのSCPオブジェクトは、その収容難易度によっていくつかの「オブジェクトクラス」に分類されます。
ほとんどのSCPオブジェクトは以下に紹介する主要オブジェクトクラスに属しますが、これら以外のオブジェクトクラスも存在します。
Safe(セーフ)
SCPオブジェクトの中でも比較的容易に収容することができるとされるクラスが、この「Safe(セーフ)」クラスです。
しかし、これはあくまで「収容難易度」であって、このクラスに分類されるからといって危険がないというわけではありません。
また、財団による研究が不十分なオブジェクトに関しては、収容後により高難易度クラスに変更されるケースもあります。
Euclid(ユークリッド)
このクラスは、完全に収容するにあたって大量の資源を消費し、その収容も完全ではないとされるクラスです。
自我や知性を持つSCPオブジェクトに関しては、その行動を予測することが不可能であり、このクラスに分類されることが多くなっています。
Keter(ケテル)
Keterクラスのオブジェクトは、収容自体が極めて困難であり、収容できたとしても、その状態を継続することが難しいクラスです。
SCP財団の説明によれば「Keterクラスに分類されても、そのオブジェクトが危険であることを意味するわけではなく、あくまで収容難易度の分類である」とされていますが、危険度が高ければそれだけ収容難易度も上がるため、オブジェクトの危険度を表す一つの指標となりえます。
財団職員の分類
Aクラス
Aクラス職員は財団の戦略行動上、重要とされる人材であり、いかなる状況であってもオブジェクトとの直接接触が許可されていません。
財団の最高管理委員会である「O5評議会」の会員も、このAクラス職員に含まれます。
Bクラス
各地での財団の運営上、重要とされるのがBクラス職員であり、検疫をパスして安全性が確保されたオブジェクトにのみ接触することができます。
Cクラス
Cクラス職員は、極端に危険性のない、多くのオブジェクトに接触することが許可されている職員です。
Dクラス
Dクラス職員は、特に危険なオブジェクトを制御する際に対応する職員で、このクラスの人材は主に世界中の暴力犯罪受刑者や死刑囚から徴用されます。
SCPオブジェクトの一例
SCP財団のもとには、現在数千種類ものSCPオブジェクトが報告されています。ここではその一例を紹介していきましょう。
SCP-173「彫刻」(オリジナル)
オブジェクトクラス:Euclid
SCP-173は、その名の通り彫刻のような姿をしていて、人が見ている間は動くことはありません。
しかし、人がまばたきをしたり、視線を逸らしたりなど、一瞬でも視界からSCP-173が外れてしまうと、その瞬間にSCPー173は物凄い速さで動き、首を圧断もしくは絞殺という形で殺害されてしまいます。
普段は施錠されたコンテナに収容されていますが、SCP-173は血液の混じった排泄物をまき散らすため、職員が定期的にコンテナ内を掃除しなくてはなりません。
その際には必ず3人以上で入室し、誰かしらが必ずSCP-173を視認している状況を作る必要があります。
「オリジナル」となっているのは、このSCP-173が発見されたことが、SCP財団設立のきっかけとなったからだとか。
SCP-1009「うつくしきせかい」
オブジェクトクラス:Keter
SCP-1009は、45×30メートルほどの異常な区域です。
この区域は、周辺にある物質を、物理法則を無視して全く関係のない動植物に変えていきながら拡大していきます。
SCP-1009の拡大は、60デシベル以上の大きな音を当てることによって完全に止める事が可能です。
SCP-1009が作り出す動植物は地球上に存在するどの種類の生物とも異なり、植物は特殊な明るい色になり、巨大です。
当初はこの区域に入っても人間には影響が無いとされていましたが、とある実験によりこの仮説は覆されます。
その実験では、音を使って区域内の限定的な範囲にSCP-1009の影響を受けない空間を作り、そこにDクラス職員を配置しました。
当初は音の影響により、Dクラス職員を避けるような形で植物が覆いましたが、12時間後に音が消えると、この空間もSCPー1009に浸食されました。
するとDクラス職員は消失し、鹿かトナカイのような暗い色をした動物に置き換わりました。
SCP-103-JP「どこにもいない彼女」
オブジェクトクラス:Euclid
SCP-103-JPは、東京都内某所にある、見た目はごく一般的な3階建てアパートの一室です。(103号室で2LDKとのこと)
SCP-103-JPは、その室内に18歳以上25歳以下の男性が一人で入ることによって活性化され、7日~10日ほどのスパンで4段階の異常が進行していきます。
第1段階
入居者が見ていない(部屋にいない)間に、以下の異常が発生。
・入居者好みの味付けの料理が用意される
・花瓶に花が生けられ、萎れる前に取り換えられる
・室内が掃除され、物が整理される
・室温は入居者の体調に合わせて22度から26度の間で保たれる
また、入居者の精神にも異常が現れ、これらの異常な現象を「同棲している彼女のような存在が行ってくれている」と認識します。
第2段階
上記に加えて、入居者を励ますような言葉が書かれたメモが置かれるようになります。また、入居者にはSCPー103-JPに依存するような精神異常が現れます。
第3段階
・食事として生ゴミ、害虫の死骸、使用済み生理用品が置かれるようになる
・花瓶に枯れ木、マネキンの手などが生けられる
・床に血液やガラス片が散乱する
・室温が40度からマイナス5度まで大きく変化するようになる
・メモ書きのインクに人間の血液が15%前後混ざり、脅迫的な内容になる
このような環境でも、入居者は「彼女がやっていることだから仕方ない」と考え、部屋を出ようとはしません。出された「食事」も食べます。
第4段階
入居者が消失し、SCP-103-JPは非活性化します。
まとめ
案の定、かなり長くなってしまいました。説明も分かりにくいですね。
YouTubeでも分かりやすく解説している動画があったりしますので、気になる方は探してみてください。
他にも興味深いSCPオブジェクトが多数存在しますので、また改めて記事にしようと思います。