空から魚が降ってくる!?ファフロツキーズ現象の謎
どんな困難でもやり遂げることの例えに「雨が降ろうが槍が降ろうが」という言葉があります。
この言葉、あくまで「槍」というのは例えに過ぎないわけですが、歴史上では「なぜこんなものが空から!?」と思うようなものが降ってきた事例がいくつもあるのです。
この不可思議な現象を、「ファフロツキーズ現象」と言います。
ファフロツキーズ現象
ファフロツキーズ現象は、日本語では「怪雨」とも言います。
この現象は、一定の範囲に「降ってくるはずのないもの」が降ってくるというもので、「オーパーツ」という言葉の生みの親である超常現象研究家アイヴァン・サンダーソンが名付けたものです。
日本においても、この現象と思しきものが古来から確認されており、未だにその原因はハッキリしておりません。
事例
ここでは、歴史上起こったファフロツキーズ現象と思われる事例を見ていきましょう。
884年 日本
出羽国(現在の山形・秋田)の記録によると、884年、秋田城周辺に雷雨が発生し、石鏃(石の矢じり)23枚が降ってきたとのこと。
1793年 日本
江戸の街中に、小雨に混じって大量の獣毛が降った。色は白もしくは赤で、15~40cmほどだった。
1828年 アメリカ
メリーランド州ケンブリッジで、数百匹の魚が降ってきたとの報告があった。
1830年 インド
腐りかけの魚が降ってきた。
1833年 インド
フップテールで、日干しになった魚が3000~4000匹降ってきた。
1876年 アメリカ
ケンタッキー州バス郡で、赤身肉の断片が降るという「ケンタッキー血の雨事件」が発生。
1877年 アメリカ
ノースカロライナ州の農園に、体長30cmほどの小さなワニが降った。
降ってきたワニたちは無傷で、その後歩き回ったという。
1890年 イタリア
カラブリア州で血の雨が降った。強風によって引き裂かれた鳥のものと考えられたが、これを裏付ける強風や鳥の死骸は確認されず。
1894年 アメリカ
ミシシッピ州ボヴィナで、20cmほどの氷塊に閉じ込められた亀が降ってきた。
1901年 アメリカ
ミネソタ州ミネアポリスで嵐が発生した際、カエルが降った。
町のおよそ4ブロックがこのカエルで埋め尽くされ、最大で8cmもの厚さまで積もった場所もあったという。
1918年 イギリス
サンダーランド周辺で、ミイラ化したウナギが10分間にわたって降り続いた。
1933年 アメリカ
マサチューセッツ州ワーセスターで、氷漬けの鴨の群れが降った。
1939年 グアム
グアム島で、ほとんどヨーロッパにしか生息していないはずのコイ科淡水魚が降ってきた。
2006年 日本
石川県七尾市などで、多数のオタマジャクシが降った。
当時、大気は安定していて、竜巻などはなかった。
2018年 中国
山東省青島市で、雷雨、雹とともに、タコやヒトデ、アワビなどの魚介類が降った。
原因は?
先に挙げた事例はほんの一例で、記録にないものなども含めると、このような怪雨はかなりの件数があると考えられます。
一体なぜこのようなことが起こるのか?
主要な仮説としては、竜巻に巻き上げられた説、鳥の吐しゃ物説、飛行機からの落下物説などがあります。
確かに、このような説で説明できるものもありますが、ミイラ化した魚や、氷漬けの生物は説明がつきません。生息地から遠く離れた場所に降った生き物の事例も、上記のような仮説では考えにくいですね。
こうなってくると、是非ともここはオカルト的な話と結び付けたいところ。
そんなわけで、私は「ブリガドーン現象」説を提唱したいと思います。
ブリガドーン現象
国民的妖怪アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の原作『墓場鬼太郎』に、この「ブリガドーン現象」の話が出てきます。
作中では、ブリガドーンは百年や千年といった周期で現れる妖怪雲で、雲の中には多数の妖怪や幽霊たちが生息しているとされています。
このブリガドーンはなにも水木先生オリジナルのものではなく、もともとはスコットランドの伝説に出てくる「百年に一度だけ姿を表す幻の村」なのです。
ブリガドーンはミュージカルや映画にもなっており、水木先生はこの映画を観て着想を得たようです。
さらに、このような「突如現れる村」の伝承はスコットランドに限らず、世界中に見受けられ、それが空中に浮いているという話も少なくありません。
日本ではジブリアニメとして馴染み深い「ラピュタ」(元ネタは『ガリバー旅行記』です)もそうですし、ホラー作家・恒川光太郎氏が書いた短編小説『銀の船』では、空を飛ぶ巨大な銀の船の名前が「時空船ブリガドーン」となっています。
こういった空に浮かぶ村や船からの落下物がファフロツキーズ現象の正体に他ならないのです。
こう考えれば、ミイラ化した魚や氷漬け生物は、そこに住む人々?の保存食などであるとも説明できますね。
まとめ
いやー、空にも我々が知らない未知の世界があったんですね。