物がなくなるのは妖怪の仕業?
「確かにあそこにしまったのに・・・」「なくなるわけないのにな・・・」
それでも物をなくしてしまうということは往々にして起こりうるもの。
スマホ、リモコン、ハンコなどなど、普段から気にかけているものや大切にしまっていたはずの重要なものほどなくなりやすいものです。
それ、もしかしたら物が勝手に移動しているのかもしれませんよ・・・
付喪神
古来より日本には、長く使用されてきた物、愛着を持って扱われてきた物には霊魂が宿るとされてきました。
これを「付喪神(つくもがみ)」もしくは「九十九神」と言います。
この付喪神は、古くは平安時代初期に書かれた『伊勢物語』にその名前が登場しており、百年生きた狐や狸の類が化けたものだとのことです。
付喪神が描かれた絵画作品もいくつか存在しています。
『付喪神絵巻』では冒頭で、長く使われた物が霊魂を宿すことが語られており、また、室町時代に描かれた『百鬼夜行絵巻』においても、付喪神らしき道具を模した妖怪が描かれています。
そんなわけで、少なくとも我が国において「物が勝手に動く」ということは何ら不思議なことではなく、私がいろいろな物をなくしてしまうのも、決してズボラだからというわけではなく、全ては付喪神の仕業なのであります。
人形が動くのも付喪神?
よく心霊番組なんかで『恐怖!一人でに動く日本人形!』とかやってますが、ああいったものもこの付喪神であるケースが多いと考えられますので、動いたりするだけで基本的には無害だと思います。
しかし、中には恨み辛みといった人間の負の感情が人形に宿っているが故に動いてしまうケースもあり、そういった場合には周囲の人にも何らかの害を及ぼす危険性も。
代表的な例としては、ベテラン怪談師稲川淳二さんのお話の中でも最恐とされる『生き人形』があります。
これは稲川さんが座長を務める舞台で使用する予定だった人形の周りで、怪異が続発したというお話です。
何でも、この人形を作った人形師が行方不明になったり、舞台の台本作家宅が火事になったりしたのを皮切りに、関係者の多くに不幸な出来事が起こりました。
霊媒師によれば、この人形には戦争で亡くなった少女の霊をはじめ、数多の女の怨念が憑いていたんだとか・・・
まとめ
というわけで、物というのは勝手に動くようになっています。
だから我々の周りからは物がなくなっていくんですね。