未来を予知していた漫画家たち
漫画・・・、それは日本が世界に誇る文化の一つ。
sushi!samurai!manga!
どんな業界でも、その道を極めし人たちの腕には神が宿ると言われていますが、それは漫画の世界も同じようです。
あまりにも高いその能力を発揮した漫画家たちは、時として現実世界の未来をも、作品に表現してきました。
そんなわけで今回は、未来を予知した漫画家たちと、その作品を紹介していきます。
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』
今もなお連載が続く大人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』
この作品は一定のスパンで第一部、第二部といった形で物語が区切られ、主人公をはじめとした主要キャラクターたちが変わるのですが、その第三部『スターダストクルセイダース』で、なんとあの歴史的大事件が予知されていました。
それがこちら。
『ジョジョの奇妙な冒険』は、この第三部から「スタンド」という、それぞれが持つ特殊能力が登場します。
問題のこのシーンは、「漫画に未来のできごとを写し出す」という予知の力を持つ敵キャラの能力を描いたものです。
これはその敵キャラに関わった旅人がバスの事故で死んでしまうという未来を漫画に写し出したシーンなのですが、その旅人の服には「911」の文字。
そうです。このシーンが示唆しているのは、世界中にテロの恐ろしさを知らしめた、あのアメリカ同時多発テロなのです。
旅人が発している「10時半」という時間は、世界貿易センタービルが崩壊した時間。
そして二枚目の画像。
無残にも死んでしまった旅人の後ろでは、不気味に笑う「飛行機」の姿と、イスラム教のシンボルである「三日月」が描かれています。
ちなみに、この第三部がジャンプに連載していたのは1989年から1992年のことなので、実際の「9・11テロ」より10年近く前のことです。
作者の荒木飛呂彦氏は、後にこのことについて聞かれた際、「そもそもこんなデザインの服や背景を書いたことすら覚えていなかった」と答えています。
大友克洋『AKIRA』
こちらの作品は最近とても注目があつまっていますね。
『AKIRA』といえば、1988年に公開され、ジブリ作品と並んで近代ジャパニメーションの礎を築いたと言っても過言ではない作品ですが、この作品中には今まさに現実世界で話題になっているあの出来事が予知されていました。
それが2020東京オリンピックなのです。
『AKIRA』の世界は2019年の東京を舞台としているのですが、翌年、つまり2020年に東京オリンピックを控えているという設定となっています。
まずこれが一つ目の予知です。
次にこちらのシーン。
分かりますでしょうか?
東京オリンピック開催までの日数をカウントする看板の右下に、「中止だ中止」という落書きがあります。
実際、東京オリンピックは(今のところ)中止といかないまでも、延期に追い込まれてしまいましたね。このシーンはそのことを示唆していたのかもしれません。
さらに、原作にはこんなシーンも・・・
右上の新聞記事、何やら今の世界情勢を示唆したような内容ですね。
手塚治虫『ブラックジャック』
漫画の神、手塚治虫の名作『ブラックジャック』にも予知があります。それがこのシーン。
これは1978年刊行の週刊少年チャンピオンに掲載されたエピソードで、見ての通り地震にまつわる話。
作中では、「6月14日午前8時ごろ、東北一帯にマグニチュード7.5の地震発生」とあります。
そして、2008年に実際に起きた岩手・宮城内陸地震が、この『ブラックジャック』で描かれた地震と酷似しているのです。
岩手・宮城内陸地震は「2008年6月14日午前8時43分頃に岩手県内陸南部(東北一帯)で発生。マグニチュードは7.2」
こじつけと言えなくもないですが、なんせ描いたのが漫画の神ですからね。予言の力くらい持ってそうです。
おまけ 水木しげる『不思議な手帖』
予知とは少し違うかもしれませんが、『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木しげるの作品の中に、『不思議な手帖』という短編漫画があります。
この漫画のストーリーはこんな感じ。
平凡なサラリーマン山田がとある手帖を手に入れるが、なんとその手帖は名前を書いた相手を殺すことができる手帖だった。
山田は同僚のねずみ女にこの手帖を奪われてしまい、ねずみ女はこの手帖で次々と殺人を繰り返す。
山田はこれ以上人を殺させないよう、手帖を奪い返し、そこにねずみ女の名前を書き、彼女を殺してしまう。
なんかこの設定、どこかで聞いたことありませんか・・・?
まとめ
ここまでいくつかの作品を紹介してきましたが、こうして予知されているのは全て悪い出来事ばかりなんですよね・・・
もしかして人類は、数々の作品で描かれてきたような、破滅の未来へと向かっているのかもしれません・・・