土用の丑の日とは?なぜウナギを食べる?
7月21日は土用の丑の日でした。
私はウナギを食べていませんが、皆さんは召し上がられましたでしょうか?
土用の丑の日
土用とは、古代中国の「五行」思想、すなわち世の万物が「木」「火」「土」「金」「水」の五元素によって成っているという考えから来ている暦に基づきます。
もともとは年間のうちの季節の変わり目とされる立夏や立冬の前後の不規則な数日を指すものですが、いつしか夏の土用にはウナギを食べる文化ができました。
夏の土用にウナギを食べるようになった理由は想像に難くないでしょうが、要するに夏バテ防止です。
古くは7世紀頃に編纂されたとされる『万葉集』に
石麻呂に吾れもの申す夏痩せに
よしといふものぞむなぎとり召せ
という大伴家持(おおとものやかもち)の歌があります。「むなぎ」とはウナギのことです。
「季節の変わり目、特に夏場には体調を崩しやすいから、ウナギを食べて頑張ろう!」ということだったんですね。
ウナギイヌ
さて、ウナギについて語るにあたって、やはり赤塚不二夫の名作漫画『天才バカボン』に登場する「ウナギイヌ」は外せないでしょう。
このなんとも不思議な生命体について調べてみると、「イヌの父とウナギの母の間に生まれたハーフで、故郷は浜名湖」とあります。
しかし、普通に考えて、哺乳類であるイヌと、魚類であるウナギで自然交配ができるはずはありません。
そこで考えられるのが、このウナギイヌは人為的にイヌとウナギの遺伝子を掛け合わせて造られたキメラ(合成獣)であるということです。
当然、「イヌとウナギを合成するなんて可能なのか!?」という疑問が出てきそうですが、これまでの研究から、ヒトとミバエ(蠅の一種)ですら、遺伝子的には61%もの部分が共通しているのです。
これを鑑みれば、イヌとウナギの合成もそう難しくはないでしょう。
おそらく、よくある「謎の組織」が、世界征服とかそれっぽいことを考えて、何か狂暴なモンスターを造ろうとか考えたのでしょう。
最初は、神話に出てくるような「キマイラ」(ライオンの頭、ヤギの胴体、毒蛇の尻尾)や、「グリフォン」(ワシの上半身、ライオンの下半身)といった、それっぽいキメラを造ろうとしました。
しかし、ライオンだのワシだのは希少で高いし、何よりワシントン条約に抵触する恐れがあります。
そこで、あまりお金が無い謎の組織は、近所の野良犬とスーパーで安売りしていたウナギを使ってキメラを造るという悪魔の実験を行いました。
そこにはもちろん問題点もありました。
陸上生物であるイヌと、水棲生物であるウナギでは、呼吸の仕方が肺呼吸、えら呼吸と大きく違っているのです。
他の部分はどうにかできても、この呼吸に関する部分だけは「肺かえらかどちらかにすればいい」というような単純な問題ではありませんでした。
そこで注目されたのが、「生きた化石」の一つに数えられる珍妙な魚類「ハイギョ(肺魚)」です。
この魚は約4億年も前のデボン紀に出現したとされる古代魚ですが、現在でも6種が確認されています。
この魚の最大の特徴はその呼吸器官にあり、幼生ではえらのみの呼吸ですが、成長するにつれて肺が発達していき、肺呼吸が可能になるというのです。
このハイギョの呼吸器官を流用することで、ウナギイヌの呼吸に関する問題をクリアすることができたのです。
こうして、悪魔の実験は成功し、アンギラドッグことウナギイヌは街に放たれました。
ウナギイヌ・・・
それは、人類のエゴが生み出した、醜く、そして哀しいモンスターなのかもしれません。
まとめ
ウナギにはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復効果がある成分が多く含まれています。
今年の夏も暑くなることが予想されますので、ウナギを食べて、エネルギーを蓄えておきましょう。
ちなみに、次の土用の丑の日は8月2日だそうです。
あー、ウナギ食べたくなってきたー。